一海漫遊記【夏旅行2019】

8月11日 鎌倉
今年は次に書こうと考えている作品の取材を兼ねて鎌倉へと向かいました。
まず行こう行こうと思いながら寄れなかった和田塚です。江ノ電の駅名にもなっており、鎌倉好きの私としては訪れたい場所の一つでした。
名前の通り、ここは打倒北条を目指して敗れた和田義盛一党の碑であり、北条政権誕生の起点になった争乱です。この戦いで北条氏の力が増し、やがて得宗政治へとつながっていきます。

和田塚

次に向かったのが、北条政権隆興の地から滅亡へと繋がる稲村ケ崎です。ちなみに映画『シンゴジラ』第四形態襲来の地でもあります^^
ここは訪れたことがありますが、綺麗な場所でお気に入りです。この日は台風の影響もあって、やや波が高かったですが、天気予報がなければわからないほど良いお天気でした。


稲村ケ崎
さらに歩いて由比ヶ浜へ行き、そして北条最後の館があった宝戒寺へと行きます。
由比ガ浜
宝戒寺は得宗館があった場所で、鎌倉幕府滅亡後に後醍醐天皇の命で建てられたお寺です。
本堂の窓から心地よい夏風が注ぎ、かつて北条高時をはじめ、得宗家の人々も同じような風を感じていたのかなと想いを馳せました。




宝戒寺
宝戒寺を出て、必ず参拝する鶴岡八幡宮へ。行き慣れた場所を巡りましたが、じっくりと味わいました。

鶴岡八幡宮
8月12日 伊豆・東京(国立博物館・日本のよろい展)
翌日は北条発祥の地・伊豆です。
いや再興と滅亡の地をめぐったかと思えば発祥の地と忙しいことです^^;
まず向かったのは北条氏が館を構えていた跡地に滅ぼされた北条一族の女性が住んでいた円成寺です。
この尼寺を建立したのは高時の母の覚海尼で、協力したのは足利直義です。
北条は狩野川に面した守山一帯に館を構え、北条政子産湯の井戸や、願成就院、そして北条ではありませんが堀越公方・足利政知の館跡もあります。
円成寺跡には何もありませんでしたが、北条政子や滅亡した一族の女性たちもここで狩野川を見つめ、どんな日々を過ごしたのか、感慨深いものがありました。

北条政子産湯

北条館(円成寺)跡




八重姫入水の地



願成就院



北条時政墓
堀越公方館跡



伊豆を出て向かったのは上野です。
上野の国立博物館で甲冑師の技が堪能できる「日本のよろい」展と三国志展が開催されていますので、参りました。
その前に一度拝観したかった上野大仏を参詣。
この大仏は江戸時代初期、越後の堀氏によって建立されましたが、関東大震災で崩壊して顔だけが残りました。その後、これ以上落ちないということから、受験生が合格を願う大仏様として有名です。
上野大仏

そして本命の国立博物館へ。詳細は下記からご覧ください。
【特別展:日本のよろい】←こちらをクリックしてください!

内容は甲冑を作っている者としては最高で、しかも撮影自由のため、貴重な資料として愛蔵しています^^





三国志展は川本喜八郎さんの人形でウハウハでしたが、内容的には史実と演義がごちゃまぜで今一つでした^^;





















上野を出て向かったのは浅草。
大河『いだてん』ですっかり有名になった十二階跡です。仲見世からはちょっと意識していかないとわかりにくい場所にありますが、ここにかつて浅草を象徴した建築物があり、それが関東大震災で脆くも崩れ去ったことを思うと、天災はやはり恐ろしいです。
浅草十二階「凌雲閣」



浅草寺

その後、浅草仲見世であげ饅頭を食べ、向かったのは東京都慰霊堂です。
当初は関東大震災の犠牲者を慰霊するための施設ですが、東京大空襲の犠牲者も同じく祀られています。東京は繁栄しておりますが、それだけにひとたび震災や戦争があると多大な犠牲者を出します。日本人ならば広島と同じく、ここも訪れなければならないと思います。
東京都慰霊堂
8月13日 諏訪
前日に下諏訪の宿に入り、早朝から諏訪探訪です。
諏訪は得宗家被官、いわゆる御内人の諏訪氏が領する地で、幕府滅亡後、時代を大きく転換させる中先代の乱勃発の地です。
ここで高時の遺児・時行が諏訪氏に擁されて挙兵し、長らく足利尊氏を苦しめました。
まずは諏訪大社下社の秋宮です。
こちらは周辺に宿が多く、修学旅行向けのお土産物屋さんでいっぱいでした。
諏訪大社下社秋宮
次に向かったのは春宮。
少し山間にあり、下馬にある渡り門が道路の真ん中にあり、諏訪は大社とともにあると感じさせました。
諏訪大社下社春宮



そして東側から諏訪湖を廻りました。目的は以前諏訪湖一周の時に見つけた塩天丼のお店。
・・・ですが、残念ながら休業。仕方なくコンビニでおにぎりを買って、諏訪湖を眺めながら昼食を摂りました^^;
諏訪湖
さらに歩いて西側へ。
そこから上社へと向かうのですが、炎天下もあってへとへとに。途中、コンビニのイートインで休憩しながら、気合いを入れて歩きます。
そして上社本宮をいったん通り過ぎて前宮へ。
その途中、神長官守矢史料館へ寄りました。
諏訪には現人神である大祝が頂点ですが、大祝を補佐し、代々取り仕切ってきたのが神長官の守矢氏です。
その守矢氏の貴重な資料を展示した史料館で、とても参考になりました。

史料館を出てさらに南下し、以前にも訪れた前宮です。
諏訪大社上社前宮


前宮には中先代の乱の首謀者である諏訪頼重の供養塔があります。
頼重は蜂起に失敗した後、凄惨な自害を果たしたと伝えられています。
諏訪頼重供養塔

そして上社本宮へ。
もう足が限界でしたので、博物館前の足湯に浸かり、バスで駅まで・・・と考えていたのですが、まさかに休館日。そのためバスもお休みでした。
あとはとにもかくにも駅まで歩くしかなく、これまた半端じゃない距離であることも知っていましたので、ひーひー言いながら歩きました^^;
宿に着いた時はまさに疲労困憊で、久しぶりに倒れこむようにして寝ました^^;;
諏訪大社上社本宮



8月14日 諏訪、名古屋、帰阪
いつもなら名古屋で先生宅にお邪魔させていただくところですが、あいにくと近畿に巨大台風が接近するという予報があり、帰宅困難にならないうちに帰阪することになりました。ただこの日の夕方からとの予報でしたので、昼食をごちそうしていただきました。
とても美味しいひつまぶしで、これほど美味しい鰻はここ数年味わったことがありませんでした。来年はまたお邪魔させていただければと願うばかりです。
幸い、台風の影響を受けることなく、もし翌日に帰阪していたら大変なことになっていました。
8月18日 清州
15日は台風直撃のため、家で休息していました。その代わりに翌週に18切符の残りを使って清州城を訪問しました。
久しぶりの清州城でしたが、思いのほか、駅から離れています^^;
のんびりと清州城を楽しみ、夏の恒例である大垣の水まんじゅうと、名古屋で味噌カツ定食を食べました。
清州城







そして最後は安土。
模型見たさに城郭史料館へ行き、そして近江源氏・佐々木氏の発祥の地である佐々貴神社を参拝しました。
こうして無事、今年の夏旅行も終了しました^^
安土城模型




















佐々貴神社



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