手作り甲冑奮闘記「歯朶具足(徳川家康所用伊予札丸胴・大黒頭巾兜)」
歯朶具足 |
サイト開設からいつかは欲しいと思っていた羊歯具足ですが・・・二十年目で作ってしまうことになるとは思いも(?)しませんでした。 とにかく兜の造形、そしてはじめての伊予札には苦戦しましたが、何とか完成です。 陣羽織も初めて縫ってみましたが、まだまだです。 |
■完成画像 |
■着用写真 |
■完成画像 |
■兜なし |
■小具足 |
■工程 |
大黒頭巾の曲線をいかに再現するか。またムラなく、でこぼこにならず、大きすぎず、小さすぎずに作るため、相当検討しました。 塗りや滑らかさは課題が残るものの、大きな経験値を得ることができました。 【兜】 ①ヘルメット加工。 ②基盤となる型作り。 ③パテを塗り、ボンドを塗り、布を張り、塗装して、ペーパー・・・。 もうどういう手順でやったのかわかんないくらい苦戦しました。スプレーも何本浪費したことか。 作業も一か月、何やってんのかわかんないぐらい作業しました。 へっこみあるわ、色ムラあるわで大変でした。 ④前立 ネットから見本をコピーし、大河の写真などから大きさを推定し、拡大コピー。そのコピーをなぞらえて製作します。 茎の部分は「自遊自在」を使用します。 ⑤獅子噛 こちらも、というよりフィギア初挑戦。 まずPP板で祖型製作。目玉は球になるよう半球の鋲を使用。 角はPP板をベース、自遊自在を芯にしてセロテープをまく。 その上からフィギア用のパテを塗り、ヘラで造形。 水で濡らしながらなめらかにし、木工ボンドコーティング。 ペーパーをかけ、色を塗ってでこぼこをチェックして造形。 耳は1mmのPP板を使用。目や口はマスキングテープを活用。 前立の取付金具は最初に買ったのは弱すぎて不採用。 福知山のホームセンターにばっちりの金具があったので採用。 二重シコロにあたる鎖帷子も再現しました。 ⑥面頬 ベースはドン・キホーテで購入した黒マスク。不要の部分を切り取り、塗装。 歯はPP板使用。 ひげはドンキで購入したかつらを使用。 まずセンターを糸で結ぶ。 まんまだと化繊丸出しの光沢があり、バラバラにならないようボンドコーティング、水砥ぎをする。するといい具合に汚れ、固まってヒゲのようになる。 裏地はあえて黒のさらし布を張る。 マスクをしても目立たないようにするため。 |
【胴】 ①伊予札 初めての伊予札チャレンジです。 本小札に比べて枚数が少ないのですが、板にする工程が大変です。 1:切り出し 2:組立 3:ボンド 4:布張 5:一次ボンドコーティング・水砥ぎ・乾燥 6:二次ボンドコーティング・水砥ぎ・乾燥 7:ペーパー 8:塗装 ②縅・組み立て 板札だといくらでも調整できますが、素懸のため糸のラインが乱れます。そこで基盤となるPP板を仕込み、強制的にまっすぐになるようにします。 胸板ですが1mmのPP板を切り出し、貼り付け、小札と同じ工程で塗装します。 満智羅は本物同様に鎖仕様です。鎖と書いてますが、麻ジュートを代用しています。 |
【三具】 ①脛当 写真を見ながら、造形に気を配りました。そして丸みを出すために針金を内蔵。 こちらも布張をしています。 ②佩盾 めんどぐさがりの虫が発生して、中々進みませんでした^^; 踏込はボタン式です。 ③籠手 本物同様、腕上部分の金具はなしです。籠手のサイズですが、ジャージなどを型紙にすれば楽に作れます。 鎖部分は麻ジュートです。 |
【陣羽織】 生まれて初めて衣装を縫いました。最初なだけに今ひとつの仕上がり。装束店さんは偉大。 イメージは『葵徳川三代』の家康陣羽織です。 |